遊動論

遊動論 -柳田国男と山男-
柄谷行人 2014年 文春新書

さてと、一週間に一冊などとヌケヌケとまぁよくも云ったものだと我ながら感心している飼主。

この間、他に目を通していなかったわけでわないのだが、まともにページをめくろうと手にしたのは今年、これが2冊目か・・・

と云うことで、「ミルフィーユ」だとか「間」だとか「重層」だとかと云っているまに、それこそが「遊動空間」ではないか、と思いついたり、1977年辺りの社会学的状態が「多様化」だった(『文学の輪郭』中島梓)のなら、今どきの「社会学的状態(風潮)」は「グローバル化」なんだろうなと思案しながら「一国民俗学」(柳田国男)=「鎖国」VS「グローバル化」なんという補助線を妄想しながら、手に取った今回の新書だったりするのである・・・。

フランスの現象学

法政大学出版局の叢書・ウニベルシタスがいつの間にか1000点を超えたらしい。

(全くもって情報収集の遅い飼主)

1000点目が『エクリチュールと差異』の新訳、以前は上・下、二巻だったものが一冊本で登場、買おうかなッとも思って、その他の1000冊に目を通し始めた途端、ヴァルデンフェルスの『フランスの現象学』が目に入る。

同じ積読ならこっちが先かなッと思ってhontoでぽっちッとするも、いつ入荷するかわからないらしい。

品切れの場合もありそう・・・。

たまにこのての本に手を出そうとするとこの有り様・・・。

吉本隆明と柄谷行人

今年は一週間に一冊ぐらい、せめて新書でも読み切ってみるかッと云うことで読みはじめたのがこれ。

まぁ、でも読み切れるかな。

「議論」から離れていた頭には結構タフな内容だ。

だいたい、物心ついたときから「文学(=テクスト)」の数学的テーマは「構造」だと信じきっていたのだが、むしろ「集合」の方がウエイトの大きなテーマなのかもしれないなどと、50歳を目前にして気づかされている始末。

やれやれ・・・。

合田正人 著 PHP新書(PHPなんてみると、今じゃHypertext Preprocessorを思い浮かべちゃうもんな・・・)

戻り難さ/逃れ難さ

犀星「ふるさとはとおきにありておもうもの」

啄木「ふるさとの訛(なまり)なつかし停車場の・・・」

端的に「距離」とはこの二つのテクストの間のことではないのか。

たとえば、「記憶」や「ことば」とは、この「距離」の身体表現や表現形態として捉え直すことはできないか。